
2009年8月5日
サステナビリティ・カレッジで「講義」をさせていただきました。
<日時>2009年7月21日(火)18:30〜20:00
<対象>学生。ただし社会人はオブザーバー参加可
<開催場所>大和証券グループ 本店
(千代田区丸の内1-9-1 グラントウキョウ ノースタワー)
参考:事前課題
当日は、時間配分に至らぬ点があり、後半部分で、十分お伝えできなかった点がありました。この点を含め、お伝えしたかった内容を簡単にまとめさせていただきます。
内容
1.共生社会に有用な「絶対的」自信
2.ビジネスがもたらす「幸せ」「不幸せ」をくまなく整理して、持続可能性を強化する
1.共生社会に有用な「絶対的」自信
実は、講演終了の2時間後に、講演終了を待ってくれていたかのように、
幸せについて教えてくれたいろんな人に私を引き合わせてくれた弟が他界しました。
7月21日は、弟の命日となり、私にとって忘れられない日となりました。
小中高の教師だった弟は、闘病中に、幸せな生き方について教えてくれる、いろいろな人に私を
引き合わせくれましたが、
死の1週間前の「最後の授業」で「自分にレッテルを貼るな、
みんな必ず、すばらしいものを持っている」という
メッセージを残し、
また、死後に、集まっていただいた方々の涙を通じて、
さらに私に、幸せや生き方のヒントを教えてくれました。
弟は、強烈なアイデアと愛情をもって、楽しみながら、
生徒や子供たち、まわりの人に接する男でした。
式が行われた教会には「史上最大規模」と言われるくらい多数の人たちが弔問におとずれました。
感動しながらも、「人のために楽しみながら力を尽すことよりも、
知識をためこむこと時間を使いすぎていたなあ」、とわが身の課題に気付かされ、
「自分が死んでも、こんなに悲しんでくれる人は、いるわけないなぁ」
と私はおもい、またまた劣等感が頭をもたげかけました。
しかし、「別のかんがえもできる」、とすぐ思い直せました。
孤独に亡くなる人の人生に価値がないわけでもない。
すべてはつながっている、という考えに立脚すれば、
弟の功績も、みんなの功績なんだ、つながっているんだ、と考えると、
とても幸せな気持ちになれたのです。
孤独のうちに亡くなって葬られる人には価値がないのか、なんて
ことではないことがわかるのです。
たんに、現実逃避的に、自分の現状を正当化したり、努力しないことを正当化する、
のではありません、
すべてがつながっている、と考えることで、自分自身の価値にも「絶対的」自信をもち、
戦いや競争ではない、共生の考え方で、自分自身の持つ、
すばらしいものを、楽しく、幸せに伸ばしていけるだろうと思っています。
ここでいう「絶対的」とは、比較によってゆらぐような相対的なものではない、
という程度の意味とご理解ください。
ビジネスの世界にあっても、このような発想が必要とされていると私は考えます。
競争社会の弊害が顕在化し、共生社会(持続可能社会)の構築が
必要であるとする声が高まっています。サステナビリティ・カレッジの設立も、
そうした考えにもとづく基づくものでしょう。
なぜなら、たとえば以下のような現象が顕在化しているからです。
1)資源・捨て場所スペースの有限性・不足の認識の高まり
2)工業国市民のストレスの高まり/伝統的な世界観(先住民、タオイズム、仏教、ヨガなど)への評価の高まり
3)工業生産品の裏側・副作用への知識の広がり(食品添加物、農薬、環境負荷、・・・・)
共生社会のリーダーを養成することを養成することを目的としたビジョンクエストワークショップというものに、
私は加わって来ました。競争社会によって、現代人は、消費、欲望、情報、時間、サクセス(成功)、など20ほどの呪縛にひときわ強くとらわれている。その呪縛を説くカギを提供するのがこのワークショップの主内容の1つです。その教材開発をおこなう先週末のミーティングにおいても、以上でのべた「絶対的」自信をもつ考え方の大切さが議論されました。
なお、このワークショップの発案者は、発明家である藤村靖之氏で、非電化工房を主宰し、非電化冷蔵庫などさまざまな非電化製品を発明し、注目されています。同氏は、サステナビリティ・カレッジでも来る9月30日に講師をつとめられる辻信一氏と共著で、『テクテクノロジー革命』を、昨年9月に出版しています。共生社会のリーダーシップや、ビジョンクエストワークショップというビジネスについても、
この著書で触れていますので、ご興味ある方は、参考にしていただければ幸いです。
2.ビジネスがもたらす「幸せ」「不幸せ」をくまなく整理して、持続可能性を強化する
さて、ビジネスが提供してきた「幸せ」は、
これから大きく問い直されていくと考えていますが、
ビジネスは、「business 忙しいこと」ですね。
売上や利益、経済を成長させるために、いろんな幸せをビジネスが創出してきましたが、
おかげで、多くの人で「体脂肪」や「ストレス」が「過剰」になったり、「自然環境」や天然資源のように、不足も深刻化しているなか、
上記の1)〜3)のような現象が起きており、
お金そのものの存在とか、幸せの意味も、問い直されてきています。
ビジネスが発展するカギも変わってきていますね。
たとえば「省くビジネス」のチャンスが考えられます。
「business」そのものから縁遠くなる人も増えるかもしれません。
なんのために利益を上げるのか、自分の幸せ、他者の幸せ
幸せの定義が問い直されるであろうなかで、
どの程度、それ以外のステークホルダー(いろいろな関係者、他の生物、自然環境含む)に迷惑をかけているか、幸せを、損なっているか、いないのか。
そういったことをよりトータルに考えたビジネスが、今後ますます求められてくるでしょう。
どんなビジネスも、だれかを、一時的にもせよ幸せにする意義があるから成り立っていると言えますが、
企業としては、事前課題にもあったような、ビジネスがもたらす「幸せ」「不幸せ」の一覧表のように、幸せ提供の反面、不幸を算出しすぎていないか、を整理するこのような表をうめてみることで、そのビジネスの持続可能性が、おおいに高められる可能性があると思います。
これは、CSR(企業の社会的責任)のマネジメントシステム(管理の仕組み)における、CSR課題や側面の洗い出しに似ていますが、そこに「幸せ」「不幸せ」という概念を持ち込むことで、より具体的なわかりやすさが生まれると思います。
もちろん、大前提として、だれかに、本当に幸せや、不幸をもたらすかどうか、の判断に、絶対的に正いものというものはなく、主観的判断にならざるをえません。これをしっかり認識しておくべきでしょうが、たとえば、どんなに社会的意義が大きいと思っても、大量生産をすれば、エネルギーを使う。それがいろいろな人や生き物の幸せ、人類のこれからの文明にとって、プラスとなるのか。広く高い視野から考えて、そうしたプラスマイナスを、可能なときは数値化して、比較考量し、差し引きプラスの程度を大きくすればするほど、それは、持続的発展力が強いビジネスとなるといえるのではないでしょうか。
たとえば、一方、売れれば売れるほど、世のなかの環境負荷を減らせるビジネス。魔法のようなものはありませんが、それに近い例として、過剰となったものから逃れたり、それを省くことを手助けする「省ビジネス」とでもよべるものがあると思います。
その他、事例としては、スライド資料に掲げましたが、以下はごく一部ですが、いろいろな、代替的な指標やビジネスが登場していますね。
従来の延長上のビジネスを、「環境にやさしく」改善するだけでは、生き残れないものが多くなってくるかもしれません。
◆人間は自然を支配する存在という考え:⇒ 人間は自然の一部という考え(『エコビレッジ・デザイン・エデュケーション』など)
◆効率志向(ファーストフードなど):⇒ スロービジネススクール、ナマケモノ倶楽部ほか、スローフード、スローライフ、MOTTAINAI運動、
「スキルダウン合宿」
◆グローバリズム、開発/未開の分類法:⇒ 地産地消、ローカルアントレプレナースクール、「懐かしい未来」運動
◆利益至上主義:⇒ ISO 26000、社会起業家(social entrepreneurs)
◆西洋医学、現代栄養学:⇒ 代替医療、総合(holistic)医学、マクロビオティック、living (raw) food
◆電化製品:⇒ 非電化製品
以上 ご参考まで。
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